此岸にて待つ。

まだ熱を持たないひんやりした布団に身を投げ出す。部屋は寒いようで暑かったのかもしれない。だって、皮膚は冷たさを望んでいる。

世界が夢と現実なら、私の居場所は夢だ。何故なら、そこでは隠れた感情が自由であるからである。
愛しい人は現実の人だけれど、恋しい人は夢にしか現れない。夢でしか会われない、そんな遠い人を、何故好きになったんだろうか。
すべてきっかけは夢。

ああ、世界があやふやだ。
脳の思考速度が鈍る。
霞む視界、睡魔に付き纏う独特の眼球の違和感。
肌寒い。体温がやっと下がってきたのか。

さよなら一時の世界。




って、7割方作り話。