此岸にて待つ。

狂う三半規管
失った平衡感覚
目を閉じれば暗闇
脳が揺さ振られる感覚
一層この感覚に溺れてしまえれば良いのに

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世界は冷たい。

何処に居るの？

触れられぬ存在を知った。
何も出来ない、近付けない。
残酷なリアルを受け止め切れない。

言葉にならない言葉を、
解らないのに解る歌に、
聞こえないのに聞こえる声で、
もう居ないのに確かに居るあなたへ。

世界が冷たい。

わたしは、此処に居るよ。

冷たい手に温もりを求める愚かさ。
どうか目を閉じて、見ない振りをして。
認められずに強がる弱さ。
どうか目を閉じて、見ない振りをして。

世界が冷えた。

もう寒い夜。
かじかむ手を、温めて。
知っているから、だから。
我が儘を、我が儘だと言って。

世界はずるい。
どうしてこんな時に雨が降るのか。
こんなに寒い夜。
わたしは一人で立ち止まった。

あなたに近付きたくて。

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何処に行けばいいのだろう
この街は俺の庭で
この街は俺を受け入れない

仲間と一緒なら怖くない
気付かない弱さを集めて
舐め合って
それでいい

俺は何処までも堕ちていく

地を這いながら貪欲に生きてやるさ

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蒼い空は絶望。
地面の僕を突き落とす。

ニセモノの世界で、神の興じる人形遊び。

蒼い空も神が造るのなら、僕達は何も真実を知らない。

ただ、神に玩ばれた事実が、創られた人々の真実。

暗い夜は安息。
すべてが永久に眠り続ける。
堕ちた僕は、もう何処へも落ちなどしない。

そう、
遺す言葉は「さよなら」だけ。

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『愛してあげる』

そして触れた手が残酷

貴方は私に形を残し
私は薄れ逝く記憶を与えただけ

いつか貴方に逢えますか

貴方の残した跡は、今でも此処に…

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真っ白
無色彩
何も無い
上も、下も、右も、左も
ただここに居る
私
何も無い
今、進んでいるの？
それとも、戻っているのか
そう
何も無い
ただ、あるだけ

此処は奥の部屋

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October 14, 2006

利己的な妄想





もし私が何処かに行きたがっていることを知ったら、
貴方は如何するのでしょう。

今を見ず、
何処とも分からない遠くを見詰め、
有り得もしない空想を夢見る私を知ったら、
貴方は如何するのでしょう。

壁の向こうを見てこちらに居る事を望まず、
何時か消えることを望んでいるのを知ったら、
貴方は如何するのでしょう。

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暗闇に赤い軌道
静寂を裂いて鳴り響く

赤は警戒色
音は警告

何処かで
頸動脈と隣り合わせの最期の警告が囁く

生と死はいつも二人

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月が奇麗な夜


空の色を覚え、描き残す。
ただ、美しかった。
星も姿を隠してしまったけれど。

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October 2, 2006

犠牲者





凍てつく心に、声は届かない。



『ねぇ××、好きだよ、愛してる



　だから許して』



ねぇ、謝れば許すと思ってるの？



痛め付けられた身体は、愛してるの言葉じゃ埋められない。



あんたの言葉、もう届かないよ。



何も、受け付けない。

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